「最近の金融情勢について」
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平成10年11月19日「最近の金融情勢について」と題した研修会をスペランツァホテルにて31名参加の下、開催しました。講師に十六銀行 広報調査課長水野 廣一氏を招き、ハイリターン・リスク商品の説明や、金融機関が企業の決算書をどう査定するかなどを話して頂きました。金利低迷が続いている状況で、高い収益を得るための資金運用手段として様々な商品がありますが、これらの商品は収益を期待できる分、高いリスクを背負う可能性も高く、いずれも取り扱いには十分な注意が必要となります。また金融機関等から借入れする場合などに提出する決算書は、どう査定されるか気になるところですが、当期利益の黒字ばかりに気を取られず、債務超過や債権者に対する支払いの延滞など重要査定事項は色々とあることに気をつける必要があります。 |
水野 廣一氏 |
1.ハイリターン・ハイリスク商品
外貨預金 | 円をドルに替えて運用し、運用後のドルを円に替えて受け取るしくみ。為替相場の変動により 受け取り額が変動する |
投資信託 | 多数の人からの投資資金を専門の機関が株式や公社債に投資し、その運用の成果をすべて投資家に帰属させるしくみ。(銀行預金も多数の人から預金というかたちで資金を集め、企業に融資 したり株式や債券を売買して運用するが銀行側は預金者に対し、元本の返済及び利息の支払いを 約束している。従って運用リスクは銀行が負うため運用がうまくいっても約束以上の金利の支払いは無い。投資信託は基本的に元本保証をせず、運用実績が悪ければ元本の目減りがある。その半面運用実績が良ければ成果すべてが投資家に分配される)商品は『安定重視型』から『積極値上がり益追求型』まで数段階あり、高い収益を期待できる商品ほどリスクを負う可能性が高い。 |
商品ファンド | 多数の人からの投資資金をファンドとして取りまとめた上、熟練した専門家のアドバイスに基づき、米国を中心として海外の先物市場等で運用し、その収益を投資割合に応じて投資家に還元するしくみ。元本確保型と元本非確保型があり、元本非確保型は満期時の元本確保割合を引き下げることにより積極運用部分の割合が拡大し、好利回りを追求できる。 |
ハイリターン・ハイリスク商品とのつき合い方
いずれの商品も高い収益を期待できる分、リスクを負う可能性も高い。相場の動きを予測する事は不可能な ため、人の話を信用してはいけない(うまいだけの話はない、本当の話なら自分だけでやる)またリスク情報 は自分で収集し、購入資金は余裕資金から調達する。 | ![]() |
@会社の財務を大切に(赤字は避ける、決算操作はしない、債務超過は解消する) ※減価償却費の見送りによる黒字は実質赤字と判定される |
A借入れの返済はきちんと(手形の書き換えを含む) |
B設備投資は長期返済資金で借りる事 |
@信用保証協会付融資の利用 |
A事業計画、返済計画をしっかりと立てる |
B担保の整理 |
Cメインバンクをしっかり持つ |